【映画】 2016年時点での、人生最高の映画51選
年代順。下に行くほど新しい映画です。
個人的に好きな作品であって、人にお勧めできるかは分かりません。
☆マークが付いているものは、昨年度版には無かった映画です。
※昨年度版はこちら↓
【映画】 2015年時点での、人生最高の映画47選 - 芋虫ブログ
①『カサブランカ』
恋愛物の古典的名作。
男の美学。格好いい男性像っていうのは時代を問わない。
じんわり落ち着いた映画を観たい時にぜひ。君の瞳に乾杯。
②『東京物語』
小津安二郎監督の家族映画。
台詞も演技もカットも全て計算されつくしていて、非の打ち所がない。
※予告編 → https://youtu.be/ih7usk8w2NY
③『十二人の怒れる男』
法廷物の決定版。十二人の裁判員が、ほぼクロと思われる黒人少年の無罪/有罪を巡って議論をするお話。
まさに天才的としか言えないプロット。変に湿っぽくなったり、しんみりさせないのも良い。正しいことはそれだけで心地いい。
※予告編 → https://www.youtube.com/watch?v=VzZ6UftfOWY
☆④『大人は判ってくれない』
トリュフォーのヌーヴェルバーグ映画。少年がトコトコと家出する映画。
孤独を抱えて放浪する切なさは全世界共通。あくまで人生は無計画。
⑤『拝啓天皇陛下様』
軍隊生活を明るく生きる、純粋な男のヒューマンコメディ。
史上最も優しい反戦映画。渥美清という役者は本当に人を優しい気持ちにさせる。
※予告編 → https://youtu.be/cnPi4QlMsNc
⑥『書を捨てよ町へ出よう』
寺山修司が描く、どこか荒廃した実験的映像作品。
いわゆるサブカルの金字塔。
冒頭の語りと、ラストの語りは、物語が好きなすべての人に聞いて欲しい名シーン。
「誰も俺の名前を知らない。または失敗つづきの人生の、養老院の壁に。入れなかった大学の教室の黒板に。公衆便所の壁に、街中のいたるところに。俺は書きなぐる。自分のアリバイ。さあ、覚えてくれよ。一度しか言わない。俺の名前は。俺の名前は。俺の名前は……」
⑦『時計じかけのオレンジ』
キューブリックによる前衛的ディストピア映画。
近未来、無意味に暴行を重ねる不良少年アレックスが、奇妙な反暴力矯正を受ける話。
独特のアーティスティックな近未来の世界観が強烈。まさにアート。スパチカねんね。
⑧『伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇』
ガンダムで富野由悠季監督のロボットアニメ。
遺跡から発掘された謎の無限エネルギー"イデ"を巡って、2つの種族が泥沼の星間戦争をする話。
イデ(=神)の導きは常人の倫理観では理解不能で、登場人物はひたすら悩まされる。そしてラストの展開はまさに伝説。
説明不要。6の序盤のチャンバラが好きで好きでたまらない。
ジャバザハットも、イウォークも、どうしたらあんな可愛いものが作れるんだろう? 分かりやすくハッピーエンドが描かれている点もポイント。
⑩『アマデウス』
モーツァルトと同じ時代に生まれてしまった音楽家サリエリの苦悩を描いた映画。
才能を持たない者はどう生きればいいか? 結局、生きる術などない。死ぬしかない。観ていて最もお腹が痛くなった映画。でも観るしかない。
☆⑪『未来世紀ブラジル』
モンティ・パイソンのメンバーによるSFシニカルコメディ。
極度に管理された近未来を舞台に、タイプの打ち間違いを発端に存在しないテロリスト探しが始まり、事態がどんどんこじれていく。
コメディの皮をかぶった重厚なSF映画。SFの基礎教養(多分)。
☆⑫『バタリアン』
パロディ満載のコメディ・ゾンビ映画。
筋はしっかりしたゾンビ映画で、その正しいゾンビ映画の中で、いかにコミカルな物語を展開できるかを試したかのような映画。
タールマン、オバンバなどのキモかわいいゾンビたちに加え、墓場で酒盛りするバカ若者たち、そして衝撃のラスト。最高のおバカ映画。
更に特筆すべきは、ゾンビたちの強さ。おそらく全ゾンビ映画で最強。
とにかく爽快なタイムトラベル・アクションムービー。
80年代アメリカの空気感、綿密なタイムトラベルのプロット、愛すべきキャラクター、嫌味のないギャグシーン、膨大な小ネタ、とにかく長所を上げたらきりがない。
もしも人生で一本しか映画を見れない人が居るとしたら、とりあえず本作を勧めるだろう。
⑭『スタンド・バイ・ミー』
アメリカの少年たちのロードムービー。
無邪気な子供達が無計画に旅をする話だけど、それを何とも切ない雰囲気で包み込んでいるのが素敵。
ゴーディとクリスが夜に語り合うシーンは、本当に名シーン。子供の頃から大好きな映画。
⑮『バベットの晩餐会』
質素な生活をする村人たちが、人生で一度のご馳走を食べる話。
品位に満ちた本当に素晴らしい映画。善なる人々と、善なる感情が画面いっぱいに広がっている。
テーマは人生賛歌だと思っています。
「今夜私は知ったのです。この美しい世界ではすべてが可能なのだと」
⑯『ベルリン・天使の詩』
人々を見守る天使たちが、地上に降り立つ文学的映画。
散文詩のような映画で、少し掴みにくいかもしれないが、
世界がとても美しいものとして描かれているのが素晴らしい。
降り立った天使の無垢な笑顔に癒やされる。生きていこうと思えます。
⑰『となりのトトロ』
ご存知ジブリの代表作。幼い姉妹が森の精霊と出会う話。
初めて家に行くシーン、メイがトトロに会うシーン、夢で芽が出るシーン、傘のシーン、バス停のシーン、空をかけるシーン……とにかく名場面がいっぱい。何度観ても素晴らしい。
⑱『ビッグ』
トム・ハンクス主演のヒューマンコメディ。
ある日突然、魔法の力で大人になってしまった少年が、都会に出たり、玩具会社に就職したり、恋をしたりする話。
とにかく可愛らしい映画で、優しい気持ちになるシーンが沢山あるので、幅広く色んな人におすすめです。
⑲『魔女の宅急便』
ご存知ジブリの代表作。魔女の少女が独り立ちする話。
知名度の割には意外と暗い話で、はりきって家を出た割には社会というのは良いことがあまりない。猫とは話せなくなるし魔法も使えなくなる。
でも、たまに良い人も居る。魔法はきっとまた使えるようになる。という映画。
⑳『3-4X10月』
北野武監督の、野球映画かつヤクザ映画。
キタノ映画が面白いのは、いつ暴力シーンに入るのか、いつギャグシーンに入るか全く分からないスリル。
その意味でこの映画は本当にハラハラして面白い。シュールなギャグシーンが満載で、声をあげて笑ってしまう。
㉑『ターミネーター2』
未来から殺人マシーンが送られていくる、SF・バトルアクション映画。
テンポが良くて、アクションは派手で、シナリオはよく練られていて、何度観ても飽きない映画。
『2』を選んだのは、敵の圧倒的な強さが好きだから。サラ・コナーも格好いいし。
㉒『ぼのぼの』
哲学的でシュールな原作漫画を元にした劇場版。
「楽しい事って、どうして終わってしまうの?」と疑問に思ったぼのぼのの話。
これはつまり「生き物はどうして死ぬの?」という問いに直結しているけれど、それに対して、こんなに明確な答えを出している映画を他に知らない。
㉓『エド・ウッド』
実在する"史上最低の映画監督"の半生を描いたコメディ。
ジョニーデップ演じるエド・ウッドは、とにかく才能がなく、ひどい映画ばかり作るが、彼ほど映画を愛する人間は他に居ない。
創作を愛するということがどれだけ尊いかを教えてくれる素晴らしい映画。
お爺さん(ベラ・ルゴシ)との友情も切なくてぐっとくる。
㉔『パルプフィクション』
タランティーノ監督の、オフビート犯罪ドラマ。
時系列がぐちゃぐちゃで、登場人物が多く技巧的な映画だけれど、
その本質は台詞やキャラクターに現れる美学。とにかく格好いい男女に酔いしれるべき。
ハンバーガーのシーン、ファミレスのシーン、ダンスのシーンなど、語りたくなるシーンばかり。これぞ映画。
㉕『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
押井守によるハードSF、サイバーパンク。
ほとんどの人が脳に電子部品を埋め込んでいる近未来、人々の脳にハッキングする正体不明の犯罪者"人形遣い"と、警察の特殊部隊"攻殻機動隊"の闘いを描く。
サイバーパンクな世界観を楽しむ映画。SFらしく、メインテーマは哲学的。
攻殻初心者はとりあえず本作を観よう。
☆㉖『(ハル)』
森田芳光監督による、ネット恋愛映画。
1996年というネット(パソコン通信)が浸透する前の時代に、画面いっぱいに文字が並ぶ特殊な形式でネット恋愛が描かれた映画。
オタクとも違う、ネット黎明期特有の奇妙な人物像がとても面白い。
ラストの一言は、そりゃ卑怯だろと叫んでしまうほどぴったりハマった名台詞。
"正直ついでに言いますと「私は女です」(;-;)(何か変な気持ち)。
男が女になったぐらいでハルは変わらないことを信じます。"
㉗『ラヂオの時間』
三谷幸喜監督のドタバタ・シチュエーションコメディ。
ラジオドラマの生放送中、様々なトラブルにより物語は脚本を離れて二転三転。何とか物語を成立させるため、製作者たちが奮闘するお話。
この映画が最も素晴らしい点は、製作者たちの物語に対する愛だろう。こういう物語を描く物語、好きです。
☆㉘『ファニーゲーム』
映画史上最悪の胸糞映画。
避暑地にバカンスに来た裕福な家族が、突然現れた不愉快な若者二人組にひたすら暴力をふるわれる映画。
視聴者を不快にするためだけに作られた映画で、腹が立つこと間違いなし。
いわゆるご都合主義的映画へのアンチテーゼが込められていて、例えば悪役の拳銃は当たるけれど主人公たちの拳銃は玉切れ。主人公たちの携帯だけ繋がらない。まさに不快の極み。
この映画に生きることの本質を見てしまうのは僕だけではないと思う。
㉙『CUBE』
密室系シチュエーション・スリラー。
いわゆるソリッドホラーの記念碑的作品。
罠が仕掛けられた密室から脱出を試みるが、そのキーとなる要素が妙に数学的で痺れる。
人物の使い方も巧みで、どんどん疑心暗鬼になっていくのも非常に上手い。
残酷描写注意。
㉚『グッド・ウィル・ハンティング』
正統派ヒューマンドラマ。
生まれが悪いために捻くれた心を持つ天才少年と、彼を見出した数学教授と、妻を亡くしたカウンセラーの話。
まさに人生とはこういうことだ、と言いたくなる前向きな映画。元気がない時に是非。
㉛『トゥルーマン・ショー』
「周囲の人間が全員、役者だったら?」という設定のヒューマンドラマ。
家族も友達も全員役者で、自分だけを騙している……という設定だけで面白いけれど、
ジムキャリーによる無垢なキャラクター、創造主との対峙と、人生の選択と、ぐっとくる要素がたくさんあります。
「好きな映画は?」と聞かれ時は、この映画を挙げています。
㉜『バッファロー'66』
パンクでオフビートでクールな犯罪映画。
まさにパンクとしか言いようがない美学に則った映画で、全てのシーンがクールで不器用。プログレ映画。
最後の復讐シーンが最高に胸が高まるので必見。ひねくれている内に観ておくべき。
㉝『オー・ブラザー!』
コーエン兄弟監督による、脱獄犯達ののんびりロードムービー。
一級の音楽映画でもある。
コーエン兄弟の映画の魅力は、独特の長閑な雰囲気としか言いようがなく、観てくださいとしか言えない。ラストの伏線回収も地味に好きです。
㉞『モンスターズ・インク』
ピクサーの最高傑作。
子供を怖がらせる仕事を担うオバケ会社"モンスターズ・インク"のエリート社員二人を描いたファンタジー・コメディ。
とにかく完成度が高く、文句の付けようがないプロット、愛らしいキャラクター、適度なギャグシーン、どれをとっても一流。唸りながら見てしまう。
㉟『リリイ・シュシュのすべて』
岩井俊二監督の少年問題を描いた社会派作品。
とある田舎町のいじめがテーマで、事態はレイプや売春に発展。
主人公の少年は好きな女子ひとりすら救うことは出来ず、心の支えはインターネットで歌手を応援することだけ。
ひたすら陰鬱で救いはない。この閉塞感は田舎暮らしの悪い面をよく表現していると思う。
㊱『東京ゴッドファーザーズ』
今敏監督によるドタバタ喜劇。
ホームレス三人組が、クリスマスの夜に赤ん坊を拾う話。
"奇跡"をテーマにした物語と設定することで、「まさかの偶然」を視聴者に納得させてしまうという不思議な構成。
㊲『鉄コン筋クリート』
荒廃した都市に住むストリートチルドレン達の話。
ワクワクして、切なくて、ほっこりする奇跡のような映画。
声優さん達も、とても良い仕事しています。
㊳『紀子の食卓』
園子温監督の家族崩壊物。
要するに「家族関係(人間関係)は演技でしかない」という話なんだけど、演出が過激で直接的なので見ていて楽しい。
人生(考え方)を変えたいという人におすすめ。どう変わるかの保証はしませんが。
暴力描写注意。
☆㊴『グラン・トリノ』
孤独な退役軍人の悲哀を描いたヒューマンドラマ。
クリント・イーストウッドの演技が素晴らしい。
男の美学を描いた作品で、こういう偏屈な老人になりたいものだと思う
宣伝文句の「史上最も優しい"衝撃のラスト"」は偽りではない。
エヴァ、新劇の二作目。
エヴァは全部好きなんですが、戦闘シーンが派手で素直にワクワクできるのは破。特に最後の使徒の強さは半端ではない。
アスカの活躍っぷりにも注目。
㊶『ソーシャル・ネットワーク』
Facebook創始者の半生を描いた映画。
主人公がロクでもないナードなんだけど、それが愛らしく感じるのは自分もネット世代だからか?
こういう人種の、遠慮なく身も蓋もない本音をぶつけ合う文化は、ある意味格好いい。
㊷『ミツコ感覚』
山内ケンジ監督の、オフビートな姉妹映画。
片田舎でOLをして、上司と不倫しているがどうにも幸せになれそうにない姉と、水商売を初めたがやはり幸せになれそうにない妹。
気味の悪い人物たちが姉妹の生活に入り込んでいき、戸惑いながらも生きることをやめる訳にもいかず、崩壊している生活はそのまま更に崩壊していく。
台詞のリアリティが抜群で、演技も圧倒的に上手く、人が作ったものとは思えない。映画というものを見る目が一変した一作。
僕は一発で山内ケンジ監督のファンになり、以降、監督の演劇はすべて劇場で拝見している。
現在、僕が最も好きな映画。
㊸『最強のふたり』
黒人青年と大富豪の身体障害者の交流を描くヒューマンドラマ。
これは本当に正統派で、期待通りの面白さで、すべての人におすすめ。
空をかけるシーンなんて、ベタだけど、ベタでも良いものは良い。
㊹『苦役列車』
最底辺男の生活を描いた映画。
金もなく学もなく体力もない男が、日雇い労働をしたりしなかったりしながら過ごす。
悲しい話だが、とにかく主人公が愛らしいので楽しく観られる。元AKBの前田敦子さんの演技も光る。単純に青春映画として面白い。
原作とは似て全く非なるお話だけど、自分はどちらも好きです。
㊺『21ジャンプストリート』
高校潜入捜査コメディ。明るく楽しいアメリカ映画。
基本的にそれ以上の深いものは無いんだけど、純粋ケラケラ笑える映画って好きです。最後の詠唱シーンは何故か泣ける。
㊻『風立ちぬ』
宮﨑駿の長編最終作。
戦争に翻弄された飛行機技師の人生。
エンジニアというのは結構ストイックな職業で、同僚や客先と仲良くすることよりも、ひたすら図面を引くことが要求される。
戦争に見向きもせず仕事に向き合う生き方を描く映画。泣けます。
青春懐古系ロードムービー。
学生時代の仲間が集まって、グダグダとしか言いようがない何の意味もない旅に出るお話。しかし皆、こんな日々がもう帰ってこないことを知っている。
本当に何の意味もないシーンがほとんどで、単なる会話をこれだけ描けるっていうのは凄い。現代演劇。
㊽『ばしゃ馬さんとビックマウス』
上手くいかないシナリオライター志望生たちを描いたコミカル・ヒューマンドラマ。
彼らの努力は本当にまったく報われず、ひたすらに否定され、友人に合わせる顔はなく、気づけば34歳。
人生は全てにおいてうまくいかない。現実よりも現実的。夢を抱いたことのあるすべての人に観て欲しい名作。
主演の麻生久美子さんがとっても美人。
㊾『LEGO ムービー』
玩具のLEGOを基にしたCGアクションアニメ。
全てがLEGOで出来た世界、極度な管理社会で脳天気に暮らす主人公が、世界の"固定"(瞬間接着剤の散布)を企む悪の大王に立ち向かう。
やたらとノリが良く、LEGOが組み上がって武器や乗り物になるシーンが面白い。だけどストーリーは骨太で、LEGOを使って世界の成り立ちまで説明する姿勢は凄い。
まさに大人も子供も楽しめる映画。
㊿『たまこラブストーリー』
京都アニメーション制作の恋愛アニメ。
とある京都の商店街で生まれ育った幼馴染の高校生男女が、受験を控えていつまでも一緒にいられないことに気付き……というお話。
ストーリーは直球だけれど、とにかく演出が美しい。綺麗な町並み、穏やかな高校の空気、紙コップで会話する幼馴染。
最後の終わり方もビシっと決まって良い映画。
☆51.『セッション』
音楽に魅せられた男たちの破滅的な人生を描く映画。
名門音楽学校に入学した青年と、学校の名門鬼コーチが、互いに憎み合い蹴落としながら、それぞれの音楽の才能に惹かれていく。
この映画の素晴らしいところは、人生そのものの進退よりも、その瞬間の音楽の出来を優先させていくところ。こうして一瞬に全てをかけて生きてみたい。
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以上です。
80~90年代が多いですね。
2016年はあまり映画が観れなかったので、今年はたくさん観ます。
2017年もよろしくお願いします。